はじめる前に
- 必須AWS アカウントを持っていること
- 必須マネジメントコンソールにサインインできること
- 必須通知を受け取れるメールアドレスを 1 つ用意していること
※ AWS Budgets はリージョンに関係なく使えるサービスです。コマンドラインや SSH などの操作は一切ありません。
参照する公式ドキュメント
手順に迷ったときや、用語の意味を確かめたいときに開きましょう。
※ リンク切れの場合は、ページタイトルで検索してください。
背景・シナリオ
AWS を学び始めたばかりのころ、一番不安に感じることの 1 つが「気づかないうちに料金がかさんでいないか」ということです。リソースを試しに作って、消し忘れてしまう、ということは誰にでも起こり得ます。
こうした不安に対する最初の安全網がAWS Budgets(予算)です。「今月はこの金額まで」という予算を決めておくと、使用額がそのしきい値に近づいたタイミングで、自動的にメールで知らせてくれます。今回は、この「決めて、知らせてもらう」という最小構成を作ります。
予算を設定すると、超えたら自動で利用を止めてくれるの?
いいえ。AWS Budgets は基本的に「知らせてくれる」仕組みで、自動的に課金を止めたり、リソースを削除したりはしません(高度な設定で自動アクションを組むこともできますが、今回はそこまで扱いません)。気づいて自分で対処するための、最初のアラームだと考えてください。
予算の設定自体に料金はかかるの?
予算の作成数や通知の送信については、一定数まで無料の範囲があります。詳しくは末尾のコスト注記と、AWS の公式料金ページを確認してください。
コスト予算を 1 つ作成し、しきい値に達したらメール通知が届くように設定し、設定した内容が予算の詳細画面に正しく反映されていることを確認する。
つくる構成
請求アラートは、複数のしきい値を段階的に設定できます。今回は 1 段階だけ作りますが、考え方の参考として、3 段階のしきい値の例を示します。
※ 今回のハンズオンでは、まず 1 段階(例:80%)のしきい値だけを設定します。複数段階を組み合わせるのは、慣れてきたら試してみましょう。
要件
以下の要件を満たし、しきい値に応じたメール通知が来るよう設定してください。
| No | 要件 |
|---|---|
| 1 | コスト予算を1 つ作成する。期間は月次、予算額は自由に決める(例:$10)。 |
| 2 | 予算額に対するしきい値(例:80%)を 1 つ設定する。 |
| 3 | そのしきい値に達した場合のメール通知先を、自分のメールアドレスで 1 件設定する。 |
| 4 | 作成した予算の詳細画面で、金額・しきい値・通知先の設定内容を確認する。 |
構築の進め方
「予算を決める → しきい値を決める → 通知先を決める」という順番で設定していきます。
-
マネジメントコンソールにサインインする
ブラウザで AWS マネジメントコンソールにサインインします。画面上部の検索バーに
Billingと入力し、「Billing and Cost Management」コンソールを開きます。 -
予算を作成する
左メニューの「予算」→「予算を作成」を選びます。テンプレートの中から「カスタマイズ(アドバンス)」→「コスト予算」を選び、予算の名前を自由に決めます(例:
monthly-cost-budget)。 -
予算額と期間を設定する
期間を月次にし、予算額を自由に決めます(例:
$10)。金額は、自分が許容できる範囲で決めて構いません。予算額は「上限」ではなく「目安」ここで決める金額は、実際の利用を止めるものではありません。あくまで「このくらいで知らせてほしい」という目安の数字です。迷ったら、無料利用枠を多少超えても気づける程度の小さな金額(例:$5〜$10)から始めるとよいでしょう。
-
アラートのしきい値を設定する
「アラートのしきい値」の設定で、予算額に対するパーセンテージ(例:80%)を入力します。
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通知先のメールアドレスを設定する
通知の送信先に、自分が受信できるメールアドレスを入力します。入力後、確認のためEメールアドレスの検証が必要になる場合があります。届いた確認メールがあれば、案内に沿って検証を済ませてください。
検証が済むまで通知は届かないメールアドレスの検証が完了していない状態では、しきい値に達してもメールが届きません。検証メールが届いていないか、迷惑メールフォルダも含めて確認しておきましょう。
-
予算を作成し、詳細画面で設定内容を確認する
入力内容を確認して予算を作成します。作成後、予算の一覧からこの予算を開き、予算額・しきい値・通知先が、設定した内容と一致していることを確認します。
つまずきポイント
初学者がよく引っかかる箇所を先回りでまとめました。答えそのものは載せていませんが、「どこを見直せばよいか」の手がかりとして使ってください。
「設定したのに、本当に通知が来るか不安」
メールアドレスの検証が完了しているか見直しましょう。予算の詳細画面で、通知先のメールアドレスのステータスが「保留中」のままになっていないか確認してください。なお、しきい値に実際に達するまでは通知は送られないため、すぐに届かないこと自体は異常ではありません。
「全体の利用額ではなく、特定の範囲だけを見ているように見える」
予算作成時の「予算範囲」の設定を見直しましょう。特定のサービスやタグだけに絞ったスコープになっていないか確認してください。アカウント全体の利用額を対象にしたい場合は、絞り込みの条件をすべて外した状態で作成します。
完了チェック
要件の再確認ではなく、画面のどこを見れば達成を確認できるかをまとめました。Billing and Cost Management コンソールを開いて、次を順に確かめましょう。
- 「予算」の一覧に、作成した予算が表示されている。
- 予算の詳細画面に、設定した予算額(例:$10)が表示されている。
- 「アラートのしきい値」に、設定したパーセンテージ(例:80%)が表示されている。
- 通知先に、登録したメールアドレスが表示されている。
考えてみよう
手を動かすことに加えて、次の問いに自分の言葉で答えられるようにしておくと、理解がより深まります。
- AWS Budgets が「自動で利用を止める」のではなく「知らせるだけ」の設計になっているのは、なぜだと考えられるでしょうか。
ヒント
本番で動いているサービスが、予算に達した瞬間に勝手に止まってしまったらどうなるでしょうか。「安全に止める」ことと「気づかせる」ことの違いという観点で考えてみましょう。 - 今回は 1 段階のしきい値だけを設定しましたが、50% / 80% / 100% のように複数段階で設定すると、どんな利点があるでしょうか。
ヒント
1 段階だけだと、しきい値に達した時点で初めて気づきます。複数段階にしておくと、まだ余裕があるうちから推移を把握できます。「早期に気づく」ことの価値という観点で考えてみましょう。 - 個人での学習用アカウントと、企業のチームで使うアカウントでは、予算アラートの使い方にどんな違いが出てきそうでしょうか。
ヒント
個人なら自分 1 人にメールが届けば十分かもしれません。チームの場合、誰が・どの範囲の予算を・どんな単位(サービス別、部署別など)で見るべきかを考えてみましょう。
後片づけ
予算自体には料金がかからないため、削除は必須ではありませんが、学習用として残すか削除するか判断しましょう。
- そのまま残す場合:請求アラートは今後も役に立つ仕組みなので、自分のアカウントの安全網として残しておいて構いません。
- 削除する場合:「予算」一覧から、作成した予算を選び、削除します。
削除するのは、このハンズオンで自分が作った予算だけ
予算の一覧には、すでに別の用途で使っている他の予算が並んでいるかもしれません。間違えて削除しないよう、このハンズオンのために作成した予算だけを選んで操作してください。
コストに関する注意: AWS Budgets の予算作成・しきい値通知は、一定数までは追加料金がかかりません(詳細な無料の範囲は AWS の公式料金ページで確認してください)。今回の設定そのものでリソースが作られるわけではないため、このハンズオンの作業自体で課金が発生することはありません。なお、予算はあくまで「知らせてくれる」仕組みであり、実際の利用を止めるものではない点に注意してください。